The Potential Long-Term Impact Of Analytics, AI And Automation On A Telco

アナリティクス、AI、オートメーション(A3)が通信事業者に与える影響

ビトリアテクノロジー AIOps ジェネラルマネージャー

世の中のすべてのテクノロジーの変化と同じく、アナリティクス、AI、オートメーション(A3)は、通信業界に多くの魅力的で革命的な機会を提供しています。

A3のような技術が、実際のシステムに実装され、効果をもたらすようになるまでにはまだ何年もかかるでしょう。

ただし、今の時点で、通信事業者と技術リードは、A3が将来の業務に与える影響をしっかりと理解しておくことはとても価値のあることです。

一般的な通信事業者を見る限りでは、今後5年から10年の間に起こる変化は次の4つのカテゴリーに分けられると、私は考えています。

1. AIとの共働で新しい能力を手にする

新しいテクノロジーは、機械学習によって強化された顧客体験をもたらします。

つまり、通信事業者は、顧客、電話会社、「モノ」(たとえば、顧客が所有するIoT)とオペレータとのデジタルでのつながりを一層強化することになります。

すでにコンタクトセンターなどでのFAQ等の単純なタスクは、AIや機械学習により遂行されるようになっています。今後、サポートボットは、より多くのサービスを、顧客だけでなく、パートナー、サプライヤーに対しても提供できるようになるでしょう。

顧客に直接接しないスタッフは、どのような影響を受けるのでしょうか?このようなスタッフは、近い将来、AIや機械学習と協同して働くようになりそうです。

AIとの協働、その初期段階では、既存のデータを分析し、表面的な”気付き”を知らせてくれる程度です。しかし時間の経過とともに、AIは知能を高めます。収集したデータ、リアルタイムのニーズ、スタッフが直面している状況に基づいて、 ”今どのようなアクションを取るのが最善なのか?” を判断して教えてくれるようになるでしょう。

自動化でのAIの活用は進むのでしょうか?徐々にではありますが、単純な自動化、スクリプトから、AI(自然言語処理、光学的文字認識など)や機械学習/深層学習などの複数のテクノロジーが統合され、より高度な自動化へと変化していくことが見込まれます。AIの成熟と、その知能の向上により、より多くのタスク、より困難なタスクを自動化できることになるでしょう。

現在では、設計段階でのAIの活用は、コンテンツ制作やソフトウェア開発の周辺に限定されており、まだ通信事業者が積極的に扱う局面は多くありません。これも時間の経過とともに、通信事業者が効率的に開発できなかった製品や顧客体験を生み出すために、AIが活用される可能性が出てくると思われます。

2.新しい顧客要件

エッジインテリジェンスは、通信事業者の端末やIoT製品などと一緒に販売したい製品に影響を与えるでしょう。

アナリティクス、AI、オートメーションのA3は、通信事業者の顧客基盤全体に展開されていくことになりそうです。そのことにより、通信事業者は新たなデータソースの提供、自動化の統合、より賢い手段で顧客との連携をすることになります。これはまた、よりスマートな顧客を持つということにもなります。

これまで、通信事業者は、データから新しい収入源を生み出すことは難しいと考えてきました。

しかし、新しいデータマーケットに参加し、場合によっては自社でデータを運用し、積極的にブロックチェーンなどの技術を導入する必要があります。

このようなデータエコノミーへの参画をチャンスと捉えるべきです。

 

3. テクノロジーの変化

新しいテクノロジー、テクノロジーの融合、新たな領域への進出が、通信事業者のA3能力を支えます。

このインテリジェンスは、顧客に対する理解、人間の判断能力、機械推論による意思決定、バイアスの排除など、関連するさまざまな技術スキルによってより一層強化されていきます。

4. 組織の変化

A3の利用は、「顧客と通信事業者」、「従業員とAI」、そして「通信事業者が参画する将来のエコシステム内」で、新たな信頼性の問題を提起することになるでしょう。これらの信頼関係を築き上げるためには、新たな標準や規制ポリシーと並行して、新しい手順や技術開発の組み合わせが必要となります。

最大限の価値を生み出すためは、データと新しいA3技術に関わるリスクに対処する必要があります。リスクとは、データ品質の低下、技術やプロセスの欠陥、セキュリティ、悪意のある行為、モデルの誤動作、人間のミスなどで生じます。

A3の価値が最大限に高まるのは、すべての従業員がA3にアクセスでき、機械と一緒に働くことに賛同し、新しいデータ分析スキルを身につけたときです。また、これらをマネージメントする新しいリーダーシップも必要です。機械は、トレーニングの提供や、ヒューマンエラーの排除に役立つかもしれません。

通信事業者は、上記4つのカテゴリーの中で、どこに注目すべき?

私の見解では、通信事業者が注目すべきチャンスは以下の5つにあります。

  1. インテリジェント・オートメーション: より効率的に、より少ないリソースでシステムを運用することによって、設備投資や運用経費を削減できることになります。これはもっとも価値を得やすい分野です。
  2. AIでの設計: 製造業ほど顕著な利益を出すことは難しいかもしれませんが、AIでの設計は、ネットワークや設備投資システムを革新し、それらをより良く設計し、コスト削減をもたらします。
  3. カスタマーエクスペリエンスの強化: 人間同士のやりとりをスムーズにしたり、無駄を省くことで、人的コストの削減をもたらします。しかし、これらは上記2つのコストの削減とは同じ規模にはならないでしょう。
  4. エッジ・インテリジェンス: 大規模な通信事業者であれば、エッジにA3テクノロジーを導入することで、ネットワークのコストを削減できる可能性があります。
  5. エキスパートの能力強化: 人間が適切な判断を下し、効果的に実行する能力を向上させる技術で、これも価値のある分野です。通常、エキスパートチームは顧客対応チームほど大きくないため、「カスタマーエクスペリエンスの強化」カテゴリーよりも価値は低くなります。

最後に

私の見解では、通信事業者のネットワークはインテリジェント・オートメーションから得られる価値が最も高いと思われます。ネットワークに問題がないかを監視し、自動的に解決策を講じることができる分野です。

基本的なレベルでは、アシュアランス能力として、KPIとSLAを継続的に監視する必要があります。5GやIoTの展開によりネットワークや通信事業者のサービスは複雑化しました。監視すべきデータも膨大になり、監視作業はより大きな負担で、機械学習の導入が必須です。

今日行われている自動化の最初の一歩は、根本原因の自動分析や、適応的な閾値を使った効率的なKPIマネジメントです。機械学習は、ネットワークの微妙なパターンを検出・監視して、既知の問題と潜在的な未知の問題の両方を探すことができます。

無線ネットワークなどの個々のネットワークと、3G、4G、5Gの各ネットワーク、およびコア・ネットワークのトップレベルの両方においてアシュアランスがオーケストレーションされる「自己回復(セルフ・ヒーリング)」ネットワークのコンセプトは、インテリジェントな自動アシュアランスの究極の目標です。

これについては、おそらく 3 年から 5 年先の話となると思われますが、これまで達成することが難しかった強固な品質のネットワークを実現できる可能性があります。

VIA AIOpsについて

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