繰り返す歴史からみるデジタル化の役割

2021年の年末ご挨拶で私は当時のコロナ禍の状況は1918(大正7)年から1920(大正9)年にスペイン風邪で起きた世界的なパンデミック似ており新型コロナウィルスでのパンデミックもスペイン風邪で起きた世界的なパンデミックと同様に3年で終息するのではないかと予測し実際にパンデミックは3年で終息しました。

歴史は繰り返すといいますが現在の国内情勢はちょうど約100年前(大正時代・1912年〜1926年)、約300年前(元禄時代・1688年~1703年元禄時代)頃の状況に似ていると感じる時があります。

過去のパンデミック、好景気と不況、技術革新、自然災害の時期と現代を照らし合わせると以下のような類似点があります。

 

『パンデミック』

  • 【100年前】1918年(大正7)から1920(大正9)年にスペイン風邪で起きた世界的なパンデミックが発生しています。
  • 【300年前】1716年(享保元年)に江戸の町で流行した風邪(インフルエンザと推定される)はひと月で8万人以上を死亡させたパンデミックが発生したと記録されています。
  • 【現代】2020年から2022年に新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による世界的なパンデミックが発生しています。

『好景気と不況』

  • 【100年前】100年前の日本は明治時代の明治維新、日清戦争・日露戦争といった時代の変革期と大戦景気を経た後に昭和初期の1929年(昭和4年)に世界恐慌により不況期となります。
  • 【300年前】1688年から1703年までの元禄時代は江戸時代での高度成長期といえる時期でした。江戸開幕からの100年間は日本の大開発時代といわれています。主要な大河川はこの時代に改修され流路の変更が行なわれ巨大な用水・土木工事ラッシュが続き1600年に200万町歩だった農地面積は、1700年には280万町歩強と約四割増えました。また、農地の拡大はそのまま人口扶養力の上昇につながり1600年には1200万人だった人口が1700年には約2800万人と、2倍を優に超える“人口爆発”にも繋がりました。こうした開発政策のもと農地は増大し農具の発達や農民の努力によって農業生産は高まり、その余剰に支えられて都市は繁栄し、ゆたかな経済力を背景に成長してきた町人たちが生み出した元禄文化全盛の時代となりました。しかし元禄好景気は長くは続かず経済は正徳の改鋳、米の収穫量増と年貢米の増加による需給バランス崩壊による米価の急落、米以外の物品価格の下落となるデフレ状態になります。更に幕府の歳出減に伴って景気も急速に悪化しデフレと景気悪化の不況期となります。
  • 【現代】現代も太平洋戦争後からの復興、高度経済成長を経た後に2009年にリーマンショックが起こり好景気とは言えない状況となります。

『技術革新』

  • 【100年前】100年前の大正時代は技術の変革期でした。 通信技術が大きく進歩し国内のラジオ放送が始まったのもこの時期となります。また、新たな印刷技術で新聞・雑誌・書籍などの紙媒体のメディアが大きく発展し人々の思想に大きな影響を与えました。さらにこの時期は第2次産業革命時期にもあたり産業の中心は軽工業から重工業へ。また、機械や金属産業、化学産業が発展しました。
  • 【300年前】元禄期(17世紀末~18世紀冒頭)に発展、普及したのが木版印刷による出版物でした。商工業の発展や文書主義の浸透による学問の指南の需要が一層高まり江戸時代中期(18世紀)以降に増加した寺子屋の普及とともに識字率が上がりました。 これにより「引札」(チラシ)や「かわら版」(新聞)、「稽古本」(教科書)の需要増加に伴い木版印刷が普及し情報の共有が広がりました。また、農業技術が進歩し、農業生産性が飛躍的に上昇しました。
  • 【現代】現代ではパソコン、インターネット、スマホが普及して、これまでなかったウェブサイトやSNSなどのネットメディアが紙媒体に代わり大きく発展しました。これらの新たなメディアは現代人の思想に大きく影響を与えています。また、デジタル化による作業の自動化、生産性の効率化も飛躍的に進んでいます。

『自然災害』

  • 【100年前】大正時代には1923年の関東大震災からの復興がありました。
  • 【300年前】1707年(宝永4年)10月4日に宝永の大地震、その49日後には富士山の噴火となった宝永大噴火という大災害からの復興がありました。
  • 【現代】現代では1997年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災からの復興がありました。

今回挙げたのはパンデミック、好景気と不況、技術革新、自然災害からの復興などが100年前、300年前と似ているという点ですが歴史の全体流れにも類似性があると感じます。

繰り返す歴史からみるデジタル化の役割という点ではパンデミック、好景気と不況、自然災害が起こった時期は同時に技術革新による生活様式の大きな変革期になっている事が分かります。

現在、世に普及しているデジタルソリューションはこれまで知る事の出来なかった情報の入手、共有、また、生産性の効率化という点で100年前、300年前に起きた生活様式の変革期に登場した新たな、そして必用とされる技術に近いと言えます。

弊社のデジタルソリューションも時代の変革期の一端を担えるように努力致します。

 

ビトリア・テクノロジー株式会社
代表取締役社長
須藤 千速